毎年8月に山梨県市川三郷町で開催される「神明の花火」は、約2万発が打ち上がる全国有数の大規模な花火大会です。
夜空いっぱいに広がる迫力ある花火と、山々に響き渡る音の共演は、一度見れば心に残る夏の思い出になることでしょう。
ただし、例年20万人を超える観覧客が訪れるため、会場周辺はかなり混雑します。
「混雑を避けてゆっくり見たい」
「遠くからでもよく見える場所を探している」
「どこで見るのが一番いいのか迷っている」
そんな方のために、この記事では神明の花火が楽しめるおすすめの穴場スポットを、会場周辺から少し離れた静かな場所まで幅広くご紹介します。
2025年:神明の花火大会の基本情報
2025年も山梨県市川三郷町にて、「神明の花火大会」が盛大に開催される予定です。
開催日は8月7日(木)で、天候により延期となる場合は、8日(金)または9日(土)に順延されます。
花火の打ち上げは19時15分から始まり、イベント全体は18時45分から21時までの予定です。
打ち上げられる花火の数は約20,000発と、全国的にも最大規模の大会のひとつです。
毎年およそ20万人以上が訪れ、山梨県内外から多くの人が集まります。
打ち上げ場所は、三郡橋と富士川大橋の間に位置する、笛吹川の河川敷です。
観覧エリアもその周辺に設けられており、川沿いから壮大な花火が一望できます。
空一面を彩るテーマ性のある演出や、壮大なグランドフィナーレは、市川三郷町の夏の風物詩として広く親しまれています。
電車でのアクセス
最寄駅はJR身延線の「市川大門駅」で、そこから会場までは徒歩約10分と非常にアクセスしやすい場所です。
車でのアクセス
車で向かう場合は、以下のインターチェンジが便利です。
・中央自動車道「甲府南IC」から国道140号経由で約10km
・中部横断自動車道「増穂IC」からは約3km
なお、当日は交通量が増え渋滞が発生しやすいため、次のICからのルートが推奨されています。
・静岡方面から:六郷IC → 国道52号(無料区間)経由
・韮崎方面から:南アルプスIC → 国道52号経由
有料駐車場(事前予約制)
確実に駐車したい場合は、事前予約が可能な「軒先パーキング」の利用がおすすめです。
混雑を避けてスムーズに会場へ向かいたい方には、特に便利な選択肢となります。
無料駐車場
会場周辺には18か所、合計約1,300台分の無料駐車場が設けられます。
ただし、毎年すぐに満車になるため、利用を予定している方は早めの行動が必要です。
※無料駐車場は予約不可となっており、駐車場の開場前に路上で待機したり、路上駐車することは禁止されています。
神明の花火のおすすめスポット
大門碑林公園
大門碑林公園は、2025年も臨時駐車場として開放されます。
打ち上げ場所から東へ約2.3km離れており、車でのアクセスを考えている方にとって貴重な穴場といえます。
公園内には2つの駐車スペースがあり、合計でおよそ50台分の駐車が可能です。
夕方以降でも空いている場合が多く、車で訪れる方には心強いスポットです。
2025年の利用時間は、13時から入庫可能で、出庫は23時までとなっています。
なお、近隣には17時15分から利用できる、市川中学校の臨時駐車場(約20台)もあるため、あわせて確認しておくと安心です。
公園周辺からも花火を観覧できる場所があり、静かな環境で花火を楽しみたい方にはおすすめです。
高台ではないため、打ち上げ場所との距離はありますが、広がりのある演出を全体的に見渡すことができます。
また、会場へ向かう無料シャトルバスの停留所にもなっており、車を停めたあとスムーズに会場へ移動できるのも大きな利点です。
混雑を避けたい方や、車でのアクセスを重視するご家族連れ、高齢の方と一緒に訪れる場合などにぴったりのスポットです。
花火を快適に楽しむための拠点として、ぜひ活用してみてください。
アスクテクニカ総合グラウンドの周辺
市川大門にあるアスクテクニカ総合グラウンドの周辺は、打ち上げ場所から南東に約100mほどの高台に位置しています。
最寄り駅のJR「市川大門駅」からは、徒歩約15分(約1km)の距離。
比較的平坦な道が続き、混雑しやすいエリアを避けてアクセスできるため、移動の負担も少なく済みます。
視界が開けていて、大玉の花火もしっかり見えるため、落ち着いた雰囲気で花火を楽しみたい方に最適な穴場です。
特に、横方向に広がるワイドスターマインのような演出も、全体を見渡すことができる点が大きな魅力です。
この場所は地元の方に親しまれており、花火大会当日もレジャーシートを広げて静かに観賞する姿が見られます。
観光客の数は比較的少なく、人混みが苦手な方にもぴったりです。
グラウンドの周辺には広めのスペースもあり、小さなお子さま連れの方や、ご年配の方でも安心して利用できます。
椅子やシートを持参して、ピクニック感覚で楽しむのもおすすめです。
高台から見渡す夏の夜空に咲く大輪の花火は、日常を忘れさせてくれるような特別なひとときを演出してくれます。
富士川大橋東北側の河川敷
富士川大橋の東北側にある、山梨県防災倉庫の付近に広がる河川敷は、打ち上げ場所から南へ約300mの地点にあります。
比較的距離がある分、混雑を避けながら花火の全体像をしっかり楽しめるスポットです。
この場所からは、打ち上げられる花火が正面に近い角度で見えるため、大きく広がる花火が夜空を彩る様子をパノラマのように観賞できます。
構成や演出をじっくり楽しみたい方には、特におすすめです。
会場からやや離れているため、夕方以降でも人の流れは比較的穏やかで、地元の方が静かに過ごしている雰囲気です。
レジャーシートを敷いて座れる広さもあり、ご家族や友人とゆったりとした時間を過ごすにはぴったりの環境です。
花火の迫力と静かな観賞環境の両方を求める方に適した、知る人ぞ知る穴場です。
八幡神社裏の堤防沿い
市川三郷町市川大門にある八幡神社の裏手、堤防沿いの道は、地元の方に知られる静かな観覧スポットです。
打ち上げ場所からは東に約2kmの距離ですが、正面に近い角度から花火が見られるため、非常に見やすい場所です。
このエリアは遮るものが少なく、建物や木などの障害物もほとんどありません。
そのため、夜空に広がる花火の姿を存分に堪能することができます。
スターマインなど連続で打ち上がる演出も、全体の構成をしっかりと楽しむことができ、写真撮影にも適しています。
混雑が少ないのも大きな特徴で、観光客の姿はほとんど見られず、地元住民が静かに観賞している様子が目立ちます。
静かにゆったりと過ごしたい方にとっては、理想的な環境です。
最寄りの市川大門駅からは徒歩で約25分、距離にして約1.5kmほど。
無理なく歩ける距離で、駅からのアクセスも比較的スムーズです。
混雑を避けたい方、カップルで静かに過ごしたい方、一人でじっくり観賞したい方におすすめの、地元民に愛される穴場スポットです。
ただし、堤防沿いの道は狭い箇所や街灯が少ない場所もあるため、夜間は歩きやすい靴とライトを持参すると安心です。
みはらしの丘「みたまの湯」
市川三郷町にある「みはらしの丘 みたまの湯」は、県内外から多くの人が訪れる人気の日帰り温泉施設です。
打ち上げ場所からは、東へ約5kmの距離にあります。
標高の高い場所にあるため、露天風呂からは甲府盆地や八ヶ岳、北岳といった山々を一望できます。
その絶景は、「絶景部門1位」と称されるほど評価が高く、温泉好きはもちろん観光客からも好評です。
2025年の花火大会当日は、営業時間が通常より1時間延長され、24時まで営業予定となっています。
花火を楽しんだあとでも、余裕を持ってゆっくりと入浴できるのが魅力です。
ただし、露天風呂から花火を直接見ることはできません。
また、入浴をしない方の駐車場の利用は禁止されており、無断駐車によるトラブルも過去に発生しているため、マナーを守って利用しましょう。
温泉でくつろぎたい方、花火とともに旅の癒しも楽しみたい方にはおすすめのスポットです。
湯沢公園(南アルプス市)
南アルプス市湯沢にある「湯沢公園」は、市川三郷町の北西に位置し、神明の花火を静かに鑑賞できる貴重なスポットです。
打ち上げ場所からは直線で約5km離れており、混雑を避けたい方にとっては理想的なロケーションといえます。
この公園にはトイレが設置されており、10台ほどの駐車スペースも確保されています。
台数は限られますが、早めに到着すれば利用できる可能性があり、小さなお子さま連れのご家族にも安心です。
昼間は、晴れていれば富士山や周囲の山々を一望でき、自然豊かな景色が広がります。
夕方以降は南アルプス市の夜景が浮かび上がり、花火と夜景の両方を楽しめる贅沢な時間を過ごせます。
さらに、公園の北側には「展望広場」があり、道路を挟んで少し高い位置にあるため、より遠くまで見渡すことが可能です。
この展望広場からは打ち上げ花火も広く視界に入るため、景色を重視する方には特におすすめの場所です。
大玉の多い神明の花火は、離れた場所からでも迫力ある演出を楽しめます。
にぎやかな会場とは異なり、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと観賞したい方にぴったりのスポットです。
夜景と花火のコラボレーションを、静かな自然の中で味わってみてはいかがでしょうか。
大会当日の混雑具合の程度は?
神明の花火大会は、毎年20万人以上の観覧客が訪れる全国的にも人気の高いイベントです。
そのため開催日当日は、朝から交通機関や会場周辺が混み始めます。
特に午後以降になると、打ち上げ会場周辺や観覧エリア、JR市川大門駅の周辺、各駐車場の出入口などで一気に人や車の流れが増え、17時前後にはピークを迎えるケースが多く見られます。
会場の中心となる笛吹川の堤防や河川敷では、昼過ぎから場所取りが始まり、18時を過ぎる頃には人気のある場所はほぼ埋まってしまいます。
地元住民だけでなく、県外から訪れる観光客も多いため、広いエリアでも十分な余裕を持って行動することが大切です。
車での来場は、渋滞や駐車場の確保で大きなストレスとなることがあります。
特に中央道、中部横断道、国道140号・52号線などの主要道路では、午後になると断続的な渋滞が発生します。
会場周辺に設けられた臨時駐車場は、例年すぐに満車となる傾向があり、特に無料駐車場は早い時間帯での利用が必須です。
そのため、事前予約制の有料駐車場(軒先パーキングなど)の活用が推奨されています。
帰りの時間帯にはさらに混雑が集中し、花火終了直後の21時〜22時ごろには駅やバス停、道路に人が殺到します。
市川大門駅は構内が狭いため、混雑時には入場制限や列の整理が行われることもありますので注意が必要です。
このように神明の花火大会は、イベントの規模に比例して混雑も大きくなります。
快適に楽しむには、早めの移動やしっかりとした事前準備、余裕のあるスケジュールが重要です。
神明の花火の起源と地域の歴史
「神明の花火大会」は、山梨県市川三郷町で夏に開催される、全国屈指のスケールと芸術性を誇る花火大会です。
その起源は1953年(昭和28年)、戦後まもなくの時期にまでさかのぼります。
もともとは、地元の花火職人たちが技術を高め合う場として「神明の里」市川大門地区で始めた小さな花火競技会が出発点です。
市川三郷町は、江戸時代から和紙や花火づくりが盛んな地域で、なかでも市川大門は「神明煙火」と呼ばれる伝統技術の中心地でした。
その技と美しさは全国でも高い評価を得ており、「神明の花火」は、こうした地場産業の誇りを今に伝える祭典となっています。
「神明」という名称は、かつてこの地域が「神明村」と呼ばれていたことに由来しています。
つまりこの花火大会は、地元の文化や歴史、そして産業を象徴する存在といえるでしょう。
また、「神明の花火」には、先人への感謝や鎮魂の想いが込められています。
近年ではさらに、
・地域の絆を深める
・若い世代へ伝統文化を伝える
・まちの活性化を促す
といった複数の目的を担う、地域全体による大切な行事として位置づけられています。
中でも注目されるのが、打ち上げプログラムに込められた「テーマ性」と「構成の美しさ」です。
花火師たちは、技術だけでなく演出としての物語性を大切にしており、観客の心に残るショーとなるよう緻密に設計されています。
特にグランドフィナーレでは、夜空を埋め尽くすような壮大な演出が展開され、来場者を圧倒します。
こうした高い完成度が、「全国でも指折りの花火大会」と評される理由となっています。
神明の花火は、地域の伝統と誇りを未来へとつなぐ、まさに特別な一夜を彩るイベントです。
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