東京ディズニーシーでスリルを楽しめるジェットコースター、レイジングスピリッツ!
360度ループを搭載したこのアトラクションは、訪れる人に非日常の体験を与えてくれます。
エントランス周辺では、滝が流れるその上で“炎が燃えている”という不思議な光景が目に入ります。
この記事では、「レイジングスピリッツ」の滝で水の上に炎が現れる仕組みと、その背景にある物語について詳しくご紹介します。
滝の上に燃える炎は実際の炎だった
このアトラクションは、発掘された遺跡で起こるさまざまな神秘的な出来事を再現しています。
中でも目を引くのが、水の流れる滝の上で絶え間なく燃える炎の演出。
階段状のエントランス近くでは、滝の水が流れる中、その真上で炎が立ち上る様子が見られます。
雨の日でも消えることなく燃え続けるこの炎の秘密は、実はガスの噴出によるものです。
目に見えないガスパイプが内部に仕込まれており、そこから出るガスによって炎が絶えず保たれています。
近づくと、ガスの匂いを感じることもあります。
このように燃え続ける炎は、神々の怒りを表すシンボルとして演出されています。
アトラクションに乗る前から、ゲストに強いインパクトを与える演出が施されているのです。
炎が立ちのぼる場所には古代の石像が関係している
滝が流れているのは、石で造られた段差のある構造物からです。
その上に浮かぶように燃える炎は、まるで水面から湧き出るように見え、初めて見る人を驚かせます。
この不思議な光景の背景には、古代の石像が関係しています。
「レイジングスピリッツ」に登場する石像と、その背景について詳しく解説していきます。
神話に基づいたアトラクションの背景ストーリー
「レイジングスピリッツ」は、かつて神聖な儀式が行われていた場所に建てられたという設定です。
文明が滅び、遺跡となったこの地を訪れる発掘チームの物語が背景にあります。
~あらすじ~
中央アメリカの密林にある「ロストリバーデルタ」で、謎の遺跡が発見されました。
調査が進む中、火の神「イクチュラコアトル」と、水の神「アクトゥリクトゥリ」の2体の石像が掘り出されます。
伝承によれば、この2柱の神は非常に怒りっぽく、儀式を怠ると災厄をもたらす存在とされています。
発掘チームは、石像がかつては互いに向かい合っていたと判断し、元の姿に復元しました。
しかしそれは、絶対にしてはならない禁忌だったのです。
復元直後から遺跡内で異常現象が相次ぎ、現場に駆けつけた解読チームが警告を発するも、時すでに遅し。
遺跡は強大な神の力に包まれ、発掘作業は中止されることになりました。
その後、遺跡は一般公開され、ゲストはホッパーカーに乗って内部を見学できるようになりました。
炎が滝の上で燃えているのは、神々の怒りが今も続いている証しなのです。
また、アトラクションのコースが歪んでいるのも、神の怒りによって形作られた結果だとされています。
現地には放棄された遺跡や、急ぎ撤退した作業員の痕跡も残されており、キューラインでもその様子が見られます。
「レイジングスピリッツ」の名称の由来
「レイジングスピリッツ」という名前を見て、「raise(持ち上げる)」と「spirit(気持ち・魂)」の組み合わせを連想する方もいるかもしれません。
しかし、実際の綴りは「raging spirits」で、「raging」は「怒り狂った」「激しい」という意味になります。
つまり、「レイジングスピリッツ」は「怒れる神々たち」という意味を持っているのです。
この名前は、火と水の神を向かい合わせたことで激怒した神々の存在を、そのまま象徴するものとなっています。
アトラクションのストーリーとも深く結びついた、意味のある名称だと言えるでしょう。
そこまで怖くはないスリルアトラクション
レイジングスピリッツは、スリル系ライドとして紹介されることが多いですが、実際のところ極端に怖いという印象は少ないかもしれません。
特に注目されるのが、ディズニーリゾートで唯一となる360度ループの存在です。
これにより強烈なスリルを期待する方も多いですが、回転はスムーズであっという間に終わります。
全体の乗車時間も約1分30秒ほどと短く、一瞬で終わってしまう感覚が味わえます。
他のスリル系アトラクションと比べてみると、恐怖の度合いは次のような順番になります。
タワー・オブ・テラー > センター・オブ・ジ・アース > レイジングスピリッツ > インディ・ジョーンズ・アドベンチャー
絶叫系が苦手な方でも、レイジングスピリッツなら乗れるかもしれません。
時速60kmで走るスピード系アトラクション
レイジングスピリッツは見た目以上にスピード感があり、最高速度は約60km/hです。
これは、東京ディズニーリゾート内のアトラクションで、第3位の速さとなります。
以下が、ディズニーの主なアトラクションの速度ランキングです。
【最高速度ランキング】
- 1位:センター・オブ・ジ・アース(約75km/h)
- 2位:スプラッシュ・マウンテン(約64km/h)
- 3位:レイジングスピリッツ(約60km/h)
このスピードは、360度ループを成立させるために必要なものでもあり、加速感と風を切る感覚がしっかり味わえます。
落下感やふわっとする感覚は少ない
レイジングスピリッツでは、急降下のような大きな落下シーンはありません。
ループ直前に少しだけ下がる部分がありますが、そこもすぐに回転に入るため、落下を意識する余裕はほとんどないです。
他にも小さなアップダウンはありますが、スプラッシュマウンテンやカリブの海賊のような「内臓が浮く感じ」は、あまり感じられない構造となっています。
そのため、「浮遊感が怖い」という方でも、比較的安心して乗ることができます。
人気のため待ち時間が長くなりやすい
レイジングスピリッツは、ディズニーシーの中でも非常に人気の高いアトラクションです。
そのため、平日であっても60分前後、週末や繁忙期には90~120分待つことも珍しくありません。
アトラクションの場所がロストリバーデルタの奥にあるため、開園直後や閉園間際は比較的空いている傾向にあります。
待ち時間を短縮したい場合は、これらの時間帯を狙って訪れるのがおすすめです。
タワー・オブ・テラーとの共通点と意外な関係
「レイジングスピリッツ」と「タワー・オブ・テラー」には、一見すると関係がないように思えますが、実は細かい部分でリンクしています。
たとえば、レイジングスピリッツの周辺には、木箱や発掘道具が点在しており、そこには、
「TO:THE HIGH TOWER TRUST 1 PARK AVENUE NEW YORK USA」
といった文字が記載されています。
これは、「タワー・オブ・テラー」の登場人物であるハイタワー三世と、その所有するホテルの住所を示しています。
さらに、タワー・オブ・テラーの内部には、ハイタワー三世が「レイジングスピリッツ」の遺跡を訪問した際の様子を描いた絵も飾られています。
レイジングスピリッツのキューラインにも、彼が持ち帰ったとされる像やアイテムが点在しています。
このように、アトラクションの枠を超えて世界観がつながっていることに気づくと、より一層ディズニーの魅力を深く楽しむことができます。
タワー・オブ・テラーの待ち列にある小道具も、ぜひチェックしてみてください。
まとめ:炎の演出は怒れる神々の力を象徴している
今回は、東京ディズニーシーの「レイジングスピリッツ」で滝の上に炎が燃え続けている理由や、その仕組みについてご紹介しました。
水の上で燃え続ける炎は、火の神と水の神が激怒していることを表す象徴的な演出です。
その背景には、神話をベースとしたストーリーや禁忌を破った発掘チームの過去が存在しています。
また、スリリングでスピード感のあるアトラクションながら、恐怖感はそれほど強くなく、初めての方でも楽しみやすい仕様になっています。
人気の高さから待ち時間が長くなることもありますが、世界観や細部にまでこだわった演出は、並ぶ時間すらも一つの体験にしてくれます。
ぜひ次回ディズニーシーを訪れる際は、レイジングスピリッツで神々の怒りの炎を体感してみてください。
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