三重県のナガシマスパーランドには、日本を代表する絶叫系アトラクション「白鯨(HAKUGEI)」があります。
2019年に登場したこのコースターは、木製の骨組みとスチールレールを組み合わせた日本初のハイブリッド型で、独自のスリルを味わえる存在。
最高速度107km/h、高さ55m、最大傾斜80度というスペックが示す通り、迫力は十分です。
さらに複雑なコース構造や連続する浮遊感によって、他のコースターでは得られない体験を楽しめます。
一方で「白鯨は怖い…」と、感じる人が多いのも事実です。
その理由は、途切れることなく訪れる浮遊感や、次の動きを予測できないコース展開にあります。
ただし、工夫を取り入れれば恐怖をやわらげ、逆に爽快感として楽しむこともできます。
この記事では、白鯨の特徴や怖さの正体を解説し、克服方法や安心して乗るためのコツをお伝えします。
白鯨コースターの基本情報と特徴
白鯨は、木製のフレームにスチールのレールを組み合わせることで、従来の木製コースターでは難しかった、スムーズな走行と独特なレイアウトを実現しています。
全長は1,530mにおよび、コースには3回の回転、急旋回、横に倒れるような90度バンク。
そして、ほぼ垂直に落下するファーストドロップなどが盛り込まれています。
外観は白と水色を基調としており、雲の中や波の上を駆け抜けているような演出が魅力です。
その一方で、木製特有の揺れや振動が絶えず伝わるため、車体全体が暴れているかのように感じられる迫力も持っています。
座席はシンプルな安全バーと、ベルトのみ。
これだけで体を固定する仕組みになっており、初めて乗る人は「これで大丈夫なの…?」と不安を覚えることもあります。
この簡素な構造が心理的な恐怖心を高め、スリルをより強烈に感じさせます。
白鯨最大の特徴は、コース全体を通して続く強烈な浮遊感です。
小刻みなエアタイムが何度も訪れ、内臓がふわっと浮き上がる感覚が絶え間なく繰り返されます。
これが、白鯨を国内トップクラスの絶叫マシンに押し上げる要素であり、多くの人が「怖い」と口にする最大の理由でもあります。
なぜ、そんなに怖いと感じるのか?
白鯨が「怖い」と言われる最大の理由は、その緻密に設計されたコース構造にあります。
ファーストドロップは最大傾斜80度で、体感的には垂直に近い落下を味わうことができます。
発車直後にいきなり訪れるこの急降下は、乗客に強烈な衝撃を与えます。
さらに白鯨のコースは単純な直線ではなく、ひねりや回転が随所に組み込まれた複雑な構成です。
走行中は休む暇もなく、上下左右に振り回される感覚が続き、次の展開が読めないことで恐怖心が増幅されます。
高さや速度そのものよりも、翻弄されるような動きが「怖さ」の本質といえるでしょう。
また、木製部分ならではの振動や揺れが加わるため、体全体が振り回されているような錯覚を覚えるのも特徴です。
こうした絶え間ない刺激が恐怖心を高める一方で、スリルを求める人には大きな魅力となっています。
急降下で浮遊感が生まれる仕組み
白鯨で多くの人が苦手に感じるのは、体がふわっと浮くような「浮遊感」です。
この感覚は、内臓が持ち上がるように動くことで生じます。
急降下の際、体は安全バーで固定されていますが、内臓は慣性によって動こうとするため、ふわっとした感覚が生まれるのです。
飛行機の乱気流や着陸時に似た体感ですが、白鯨ではこの現象が連続的に訪れるため、一層強く感じられます。
さらに急旋回や、ねじれの動きによって三半規管が刺激されると、耳の奥にある耳石が揺さぶられ、平衡感覚が乱れます。
その結果、浮遊感やめまいのような症状が起こりやすくなり、これが「苦手」と感じる大きな要因になります。
白鯨は途切れることなく、この浮遊感が繰り返される構造のため、慣れていない人ほど「怖い」と思いやすいのです。
しかし逆に、この独特の感覚こそが白鯨の魅力でもあり、絶叫好きからは「一度味わうとやみつきになる!」と高く評価されています。
白鯨の浮遊感を抑える5つの方法
呼吸と腹筋を使った対策
浮遊感を軽減するためにおすすめなのが、落下の直前に大きく息を吸い込み、腹筋に力を入れる方法です。
この動きを取り入れることで内臓の浮き上がりを抑え、ふわっとする不快感をかなり軽減できます。
さらに、息を少しずつ鼻から吐きながら腹圧をかけると、効果はより高まります。
簡単な呼吸法ですが、実際に試すと恐怖が和らぎ、落下の感覚をコントロールしやすくなります。
座席の位置で変わる体感
白鯨は座る位置によって、体感が大きく変化します。
前方の席はコースの動きが見えやすく、浮遊感も比較的穏やかに感じられます。
一方、後方の席は引っ張られるような力が強まり、重力変化が激しく伝わるため、浮遊感が増幅されます。
初めて挑戦する人や克服を目指す人は、前方の座席を選ぶと安心して乗れます。
安心できる姿勢と視線の向き
乗車中は背中をしっかりと背もたれに預け、安全バーを強く押さえることで安定感が生まれます。
首を固定して、やや上を向く姿勢を取るのも効果的で、高さへの恐怖を感じにくくなるだけでなく、三半規管への刺激も和らげられます。
目を閉じる人もいますが、動きが予測できずかえって不安が強くなることが多いため、できる限り視界を確保してコースを見た方が、心の準備がしやすいです。
事前にコースを確認しておく
白鯨の恐怖を大きくしているのは、「次に何が起こるかわからない」という予測不能さです。
そのため、あらかじめコースの映像を見て全体の流れを知っておくと、実際に乗るときの不安をかなり軽減できます。
また、公園のブランコや小型の乗り物で、浮遊感に慣れておくのも有効です。
事前に体を慣らしておくことで、本番を楽しみに変えることができます。
段階的に挑戦してスリルに慣れる
絶叫マシンが苦手な人は、いきなり白鯨に挑戦するのではなく、スリルが控えめなアトラクションから少しずつ挑むのも一つの方法です。
段階的に経験を重ねることで、自分の苦手なポイントを理解しながら克服していけます。
そして実際に白鯨に乗ったとき、恐怖の中に楽しさを感じられれば、それが大きな自信につながるでしょう。
体験者が語る白鯨の魅力と感想
初めて乗った人の感想
白鯨に初めて乗る人の多くは、列に並んでいる段階から緊張を感じています。
発車を待つ間にファーストドロップを見上げ、その高さと角度に圧倒され、「自分は本当に大丈夫だろうか…」と不安に思う人も少なくありません。
座席に座ると安全バーとベルトのシンプルさに驚き、恐怖心がさらに強まります。
出発前から鼓動が早まり、動き出した瞬間には逃げ場のない緊張感に包まれるのです。
実際の感想としては、
「全身が大きな洗濯機に放り込まれたように揺さぶられた」
「内臓が何度も浮き上がる感覚に襲われ続けた」
といった声がよく聞かれます。
特にファーストドロップで目を閉じてしまう人は多いですが、視界を遮っても身体に伝わる衝撃から逃れることはできず、体全体でスリルを受け止めることになります。
絶叫好きからの高評価
絶叫マシンが好きな人にとって、白鯨は非常に高い評価を得ています。
「国内でも屈指のエアタイムを体験できるコースター」と称され、終始続く浮遊感が「快感」として語られるのです。
滑らかな走行やスピード感に加え、次々と現れるひねりや回転が休む暇を与えません。
約2分半という乗車時間ながらも、密度の高い満足感を与えてくれます。
また、白と水色のコースターが映える景観も魅力の一つです。
走行中には園内全体を見渡したり、遠くの海を望む瞬間もあり、恐怖と同時に爽快感を味わうことができます。
恐怖だけではなく「楽しい」と感じられる要素があることが、白鯨を繰り返し乗りたくなる理由だといえるでしょう。
白鯨を克服した人の実体験
最初は恐怖で目を閉じていた人も、呼吸法や座席の位置を工夫することで不安が和らぎ、2回目以降には、
「思ったより怖くなかった」
「むしろ楽しく感じられた」
といった声に変わっていきます。
克服のきっかけとなるのは、実際に挑戦することそのものです。
事前の不安が大きいほど、乗り終えたときの達成感は特別なものになります。
恐怖を乗り越えた経験は自信につながり、その後のアトラクションも、積極的に楽しめるようになるケースは少なくありません。
まとめ:白鯨を楽しむための秘訣
ナガシマスパーランドの白鯨は、登場以来「怖い」と「楽しい」が同居する特別な存在として、多くの来場者を惹きつけてきました。
スチールドラゴンのように、高さや速度で圧倒するタイプではありませんが、白鯨の魅力は途切れることのない浮遊感と、次の展開が読めないコース設計にあります。
常に体が浮き上がるような感覚に襲われるため、初めて挑戦する人が恐怖を強く感じるのも自然なことです。
しかし、この浮遊感や複雑な回転は、見方を変えればスリルと爽快感を同時に味わえる、特別な体験です。
実際に克服した人の体験談を見ると、
「呼吸法と腹筋を意識したら楽になった」
「座席を変えたら怖さが半減した」
「動画でコースを予習して安心できた」
といった工夫が、恐怖心を和らげるのに効果的だったと語られています。
つまり白鯨は、乗り方次第で「怖い」から「楽しい」へと、印象を変えることができるアトラクションなのです。
何より大事なのは「怖い」という気持ちを持ちながらも、一歩を踏み出す勇気です。
乗り終えた後には大きな達成感が待っており、その経験は恐怖を克服した自信につながります。
白鯨は確かに強烈な絶叫マシンですが、その分得られる感動も格別です。
恐怖心から避けてしまうのではなく、工夫を重ねながら挑戦することで、ただ怖いだけではない爽快で忘れられない体験を味わうことができます。
ナガシマスパーランドを訪れるなら、ぜひ白鯨に挑戦して、自分なりの楽しみ方を見つけてみてください。
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