荒川をはさんで近接して開催される「戸田橋花火大会」と「いたばし花火大会」は、同時に楽しめる珍しい花火イベントです。
花火自体は、どちらの側からでもしっかり見られますが、鑑賞場所によって雰囲気や混雑具合には違いがあります。
せっかくなら、花火の見やすさや会場の雰囲気など、できるだけ快適に楽しみたいですよね。
さらに屋台の充実度や、混雑の状況も気になるところ。
この記事では、埼玉側にある戸田橋花火大会と、東京側のいたばし花火大会の違いを、実際の体験をもとに詳しくご紹介します。
埼玉県戸田市と東京都板橋区がそれぞれ開催
この2つの花火大会は、それぞれ別の主催者によって行われています。
戸田橋花火大会は埼玉県戸田市、いたばし花火大会は東京都板橋区が会場です。
両大会は協力関係にあり、観客により楽しんでもらうため、花火を同時に打ち上げるなど連携した演出が行われています。
打ち上げの開始時間と終了時間も、ほぼ同時刻に設定されています。
花火の見え方は、どちらの側から見ても大きな違いはありません。
唯一異なるのは、いたばし花火大会で行われる「ナイアガラの滝」が、埼玉側からはやや遠くなる点です。
また、屋台については両会場ともに大きな偏りはないものの、傾向には若干の違いが見られます。
戸田橋花火大会の特徴と魅力
戸田橋花火大会は、1951年に戸田町と板橋区の境界変更を記念して始まりました。
翌年からは、対岸のいたばし花火大会と同時に開催されるようになり、荒川を挟んだ合同演出が恒例となりました。
この花火大会の大きな魅力は、戸田橋側と板橋側から同時に打ち上げられる「ダブル花火ショー」です。
緻密に調整された演出で、両岸あわせて約15,000発の花火が打ち上げられます。
特に注目すべきは、最大10号玉をはじめとする大玉の花火や、尺五寸玉(15号玉)を5発も打ち上げる豪華さです。
スターマインや連発花火、そして音楽に合わせた「Sky Fantasia」も見どころの一つです。
東側には、打ち上げ場所のすぐ近くに観覧席が設けられており、真上で炸裂する花火の迫力を全身で体感できます。
会場となる荒川河川敷は階段状に整備されており、安全で見やすい設計です。
川と空を活かした開放的な演出は、地域の風景と調和しており、来場者に長く愛されている理由のひとつです。
戸田橋花火大会は、歴史と地域の絆を象徴するイベントとして、演出・規模・臨場感すべてがそろった花火大会です。
いたばし花火大会の見どころと特徴
いたばし花火大会は毎年8月初旬に開催され、両岸合わせておよそ1万5千発の花火が夜空を彩ります。
その演出の多彩さと規模は、都内でもトップクラスです。
特に注目されるのは、東京23区内で唯一打ち上げられる「尺五寸玉(15号玉)」です。
直径約450メートルに広がるこの花火は、視界を覆い尽くすほどの迫力があります。
また、700メートルを超える「ナイアガラの滝」に見立てた仕掛け花火も、名物の一つ。
光の滝が川岸を流れるように広がる光景は幻想的で、観客の視線を釘付けにします。
さらに音楽と連動したスターマイン「Sky Fantasia」では、光と音が融合し、まるで映画のワンシーンのような臨場感を味わえます。
会場は河川敷に広く設営され、有料席も多く用意されています。
階段状の地形を活かしたレイアウトで、混雑していても比較的見やすく快適です。
都内でこれほど大規模でダイナミックな花火を体感できる機会は限られており、多くの観客が毎年訪れるのも納得です。
花火を見るなら戸田側がおすすめ
戸田側は比較的空いている
混雑の状況を比較すると、埼玉側のほうが東京側よりやや空いています。
ある年の来場者数では、いたばし花火大会と戸田橋花火大会では、10万人ほどの差がありました。
東京側は河川敷が広く、多くの人が収容できる反面、それに比例して混雑もしやすくなります。
一方で埼玉側は、比較的ゆったりと花火を楽しめる印象です。
もちろん、戸田側も夕方以降は電車が混雑し、会場までの道には長い列ができます。
それでも、全体的な人の多さを考えると、少しでも空いている場所で見る方が落ち着いて花火を満喫できるでしょう。
帰路の混雑は板橋側が大変
行きは時間をずらして到着する人も多いため、比較的スムーズに移動できます。
しかし帰りは花火終了後、一斉に帰路につくため、どちらの会場も混雑は避けられません。
その中でも特に混雑が激しいのが、東京側の板橋会場です。
来場者数が多い分、駅や周辺道路にも人が集中しやすくなります。
家族連れやカップルなど、ゆっくり落ち着いて帰りたい方には、埼玉側の戸田会場の方が安心です。
少しでも混雑を避けたい場合には、東京側よりも埼玉側が適しています。
花火の迫力は両側で満喫可能
花火の内容に関しては、どちら側から見ても十分に楽しめます。
尺玉やスターマイン、音楽とのコラボ演出など、大迫力の花火が両会場から見えるよう設計されています。
過去には、東京側では15号玉、埼玉側では10号玉が使用されるなどの違いもありましたが、いずれも視界にはっきりと映るため、見劣りすることはありません。
特に河川敷は開けており、視界が広いため、打ち上げ場所から多少離れていても、花火全体をしっかり楽しめます。
ナイアガラを見るなら板橋
唯一の注意点として、「ナイアガラの滝」は板橋側で行われます。
そのため、戸田側からだとやや遠くなり、細かい演出は見えづらくなります。
全長700メートル以上の光の滝は、会場で見ると非常に迫力がありますが、距離があると繊細な光の流れは少し見えにくくなります。
それでも、花火そのものの迫力やスケールは、戸田側からでもしっかりと感じられます。
ナイアガラの演出を除けば、戸田側でも満足度は十分に高いです。
戸田の屋台はバリエーション豊富
花火大会をさらに楽しむなら、屋台の充実度も重要なポイントです。
この点では、戸田側の方が屋台の数が多く、活気がありました。
戸田公園駅から会場に向かう途中の道沿いには、さまざまな屋台が並び、土手沿いにもたくさんの出店が並びます。
その数は年によって異なりますが、百店舗以上にのぼることもあり、にぎやかな雰囲気を味わえます。
一方、板橋側の屋台はやや控えめで、種類も少なめです。
お祭りならではのグルメや食べ歩きを楽しみたい方には、戸田側の方が満足度が高いでしょう。
まとめ
いたばし花火大会と戸田橋花火大会、どちらに行こうか迷っている方には、埼玉側の戸田橋花火大会をおすすめします。
全体的に東京側よりも人が少なく、場所取りがしやすいですし、屋台もにぎやかでお祭り気分を満喫できます。
もちろん、花火の演出も迫力満点で、音楽とのコラボ演出など、見どころも盛りだくさんです。
快適な環境で花火をゆっくり楽しみたい方や、カップルで特別な思い出を作りたい方は、ぜひ戸田側の会場を選んでみてください。
きっと、素敵な夏の夜を過ごせるはずです。
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