理系出身で公務員は損なのか?メリットとデメリットを徹底解説!

理系の学部では、研究職などを目標に就職活動を進める人が多いものです。

特に国立大学や有名な私立大学では、大手企業への就職実績も高い傾向があります。

そうした中で、公務員という進路を考えたときに、

「理系で公務員になるのはもったいないのでは?」

と悩む人も少なくないでしょう。

 

この記事では、そうした疑問を解決するために、

・理系が受験できる公務員の種類

・理系から公務員になったときのデメリット

・理系でも公務員になって良かった点

を中心にお伝えします。

読み進めることで、理系出身であっても公務員を目指すべきか、あるいは他の進路を選ぶべきか、自信を持って判断できるようになります。

理系出身でも文系職種を受験できる

理系の人がまず思い浮かべるのは、やはり技術系の公務員でしょう。

実際に技術系の職員の多くは、理系出身者が占めています。

そのため「理系=技術職」というイメージを持ちがちですが、それだけに限りません。

理系であっても、文系職種に挑戦することは可能です。

 

試験の受験資格を確認すると、文理を問わず学部の制限がない場合が多くあります。

たとえば国家公務員一般職の募集要項では、「大学卒業者または卒業見込み」や「短大・高専卒業者」といった条件があるものの、文理の指定はありません。

法律や経済に関心がある人なら、文系職種に挑戦することで選択肢が広がるでしょう。

 

技術系の主な職種

【技術系公務員の例】

デジタル・電気・電子

建築

物理

化学

土木

農学

農業農村工学

林学

機械

栄養士

薬剤師

 

募集人数を必ず確認する

技術職の中でも、特に募集人数が多いのは土木職です。

近年はデジタル分野にも力を入れており、この分野の採用数は増加傾向にあります。

 

一方で職種によっては、募集人数がごくわずかというケースも珍しくありません。

国家公務員の場合は、比較的まとまった人数が採用されますが、地方公務員では「若干名」と記載されることもあります。

たとえば、農学系の国家一般職では200名程度の募集がありましたが、県庁では5〜10名ほどしか募集がありませんでした。

試験の手応えがあっても、最終的に採用されるかどうかは分からないのです。

そのため、希望する職種がどれくらいの人数を募集しているのか、必ず事前に確認しておきましょう。

 

また、自治体によっては前年に募集があった職種が、翌年には募集されないこともあります。

希望の職種がある場合は、直前ではなく余裕を持って情報収集することが大切です。

 

技術系以外の主な職種

理系出身だからといって、必ずしも技術系に限られるわけではありません。

実際には数は少ないものの、理系でも技術職以外の公務員として働くことができます。

 

【技術系以外の職種の例】

政治・国際・人文

法律

経済

行政

事務

国税専門官(法文系)

財務専門官

 

こうした職種では文系出身者の受験者が多いものの、理系の人でも受験資格があれば挑戦できます。

 

過去問を見てから受験を検討する

技術職に比べ、これらの職種は募集人数が多い傾向にあります。

たとえば国家公務員一般職では、行政職だけで800名近い採用があります。

ただし理系出身の場合、法律や経済の専門知識がないため、文系出身者より勉強に時間がかかることが多いです。

そのため行政系を志望するなら、まずは過去問を確認して試験の内容を把握することをおすすめします。

出題範囲を知ったうえで、本気で取り組む覚悟があるかどうかを見極めることが大切です。

 

理系出身で公務員はもったいないと言われる理由

理系で公務員になることに対して「もったいない」と感じる理由はいくつかあります。

主な理由は以下の3点です。

・民間の研究職に比べて給与が低い

・大学で学んだ専門知識を活かしにくい

・大学院を出ても学部卒と同じ扱いになる

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

 

民間の同職に比べて給与が低い

理系出身者は研究職や技術職を志望し、民間企業への就職を考えることが多いです。

特に大手メーカーや研究開発部門では、仕事量が多い分だけ給与水準も高めに設定されています。

また、賞与も手厚く支給される傾向があり、待遇面での差は明らかです。

民間で働く知人の収入を聞いたときに、その差に驚いたという声もあります。

もちろん責任やプレッシャーは大きいですが、それに見合う報酬を得られるのが民間企業です。

一方で公務員の研究系職種も行政職よりは高めですが、全体としては民間の水準には及びません。

 

異動で給与がリセットされることもある

公務員には、2〜3年ごとに異動があるのが一般的です。

研究職に配属されたとしても、数年後には事務系の部署に異動する可能性があります。

その場合、給与も元の水準に戻ってしまうことがあります。

研究分野で継続的にキャリアを積める民間企業に比べると、待遇や専門性の面で差を感じやすいといえるでしょう。

 

大学での学びが活かしにくい

配属先によっては、大学で学んだ専門知識がそのまま仕事に直結しないことがあります。

たとえば、農学部出身で農業関連部署に配属されても、大学で得た知識より現場で培った経験の方が役立つことが多いです。

「大学で学んだことをそのまま仕事に活かしたい」と考える人にとっては、理想と現実のギャップを感じる場合もあります。

現場で新しく学んだことを活かす姿勢を持っていた方が、実際の仕事には馴染みやすいかもしれません。

 

院卒でも学部卒と同じ扱い

理系では大学院に進学する人も多く、専門性を活かせる職を希望する傾向があります。

しかし、公務員では院卒かどうかに関わらず、配属先がほとんど同じであることが多いです。

実際には学部卒が研究職に就くケースもあれば、院卒でも事務的な仕事に回されることもあります。

一方で、民間企業には院卒向けのポジションを設けている場合もあり、待遇面で差が出やすいです。

せっかく大学院で専門性を磨いても、その能力を十分に発揮できない可能性があるのは、公務員ならではのデメリットといえるでしょう。

 

理系出身者が公務員になって良かったと感じる点

理系の学部を卒業して公務員になったからこそ、実感できるメリットもあります。

ここでは代表的な3つのポイントをご紹介します。

・有給休暇をしっかり取得できる

・文系出身者から多くを学べる

・安定した職と高い社会的信用を得られる

 

有給休暇をきちんと消化できる

公務員は、有給休暇が非常に取りやすい職場です。

年齢の高い上司でも有給をしっかり使っており、部下に対しても「もっと休んで大丈夫」と声をかけてくれることがあります。

配属された部署によっては残業が少なく、年間20日程度の有給を使い切れることも珍しくありません。

年度によっては、35日ほど休みを取得できたこともあります。

さらに年次休暇以外にも多様な特別休暇が整備されており、安心して休める環境があるのは大きな魅力です。

 

文系出身者から幅広い知識を学べる

理系として技術職で採用されても、文系出身の職員と同じ部署で働くことはよくあります。

そのような部署では事務的な業務が多くなりますが、文系の人たちから学べることは多いです。

事務職の職員は税金や法律など幅広い知識を持っており、理系の人が触れる機会の少ない分野に詳しいです。

一緒に働くことで自分の視野が広がり、専門性以外の知識も得られるのは大きなプラスになります。

 

安定した雇用と社会的信頼がある

公務員最大の強みは、やはり雇用の安定と高い社会的信用です。

重大な問題を起こさない限り、職を失う心配はほとんどありません。

また、勤続年数に応じて給与も段階的に上がっていきます。

住宅ローンの審査でも「公務員」という肩書きがあるだけで、スムーズに進むことが多いです。

民間企業で働く知人の話を聞くたびに、公務員の安定した立場のありがたさを実感することもあります。

この安定性と信頼性は、公務員ならではの大きなメリットだといえます。

 

まとめ

今回は「理系出身で公務員になるのは損なのか?」という疑問について解説しました。

理系の人でも、技術職だけでなく行政職などの文系職種を受験することが可能です。

理系が公務員を目指すときのデメリットとしては、

・民間企業の研究職と比べて給与が低い

・大学で学んだ専門知識を活かしにくい

・大学院を出ても学部卒と同じ扱いになる

といった点が挙げられます。

 

一方でメリットも多くあり、

・有給休暇をきちんと取得できる

・文系出身の人から幅広い知識を得られる

・安定した職と高い社会的信用を得られる

という点は公務員ならではの強みです。

 

理系出身だからといって「公務員はもったいない」と一概に決めつけるのは早計です。

自分にとってのメリットとデメリットを比べて、判断することが大切です。

納得したうえで選んだ進路なら、きっと後悔のないキャリアにつながるでしょう。

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